カミさまのいうとおり!第3話
「ああ、なんだか私、嫌になってきました……」
絞り出すように漏らすと、視界がじわりと滲んだ。きっと辺りに燻る煙のせいだ、これは。
「え、ええ? 急にどうしたの?」
布袋は私の顔を見て、あたふたと慌てる様子をみせた。無理もない。隣で誰かが突然泣き始めれば、誰だって困るに決まっている。
「農業という存在が、よく分からなくなってしまって。……今更、ですけど」
どれだけ不甲斐ないのだ、私は。農業界を改革すると意気込んだものの、今度は農業の存在自体を疑問視しているなんて。情けなくて更に泣けてくるじゃあないか。
農業は、必要なのだ。私にとって、人々にとって、大事なものなのだ。決して途絶えさせてはいけないものだし、失いたくもない。だから、私は福禄の計画に乗った。その気持ちは勿論、今も変わっていない。しかし、それ以上に大事な根本が揺らいでいる。川の流れに逆らえない弱々しい笹舟のように、ゆらゆらと。
「……どうして、そう思うの?」
「それは……」
見えない火に熱せられて、木の枝がぱちりと爆ぜる。
布袋から穏やかに問いかけられ、私は口ごもりながらも、言葉を選んだ。
「考えるほどに、農業が自然にとっては毒でしかないんじゃないかって」
自然に囲まれて自給自足生活を送ることは、私の夢だ。けれどそれは逆を返せば私が自然を土足で踏み荒すということでもある。私にとっては楽園であっても、自然の姿はその分、壊されてしまうのだ。
もはや農業こそが、人間のエゴイズムの塊であると言い切ってしまってもいいだろう。
「それは、また……難しい問題だね……」
――でも、先輩にこんなこと相談してる私も、自己中心的だわ。
私の家は農家ではなく、あくまで私ひとりが将来自給自足生活を送りたいと思っているだけにすぎない。けれど、先輩の家業は農業だ。農薬を散布し、品種改良された作物を育て、本来の自然の流れに沿うことを良しとしない――私が『毒』だと言い切ったことを実際に行っているのは、頭を抱えている私自身ではなく、彼のほうだ。本人を指さしながら「お前は悪なのだ」と言っているのと何ら変わらない行為を、私はしたということになる。
けれど布袋は嫌な顔をする様子もなく、顎に手をやりながら眉根をひそめ、むしろ真剣な表情で考え込んでいる。
「もし農業を毒とするなら、工業だって毒だということになるよね。そうなると、もう人間自体を否定しなくちゃいけない……かなり極論になっちゃうけど」
「……はい」
遠くの空が唸る。鈍色の雲からぽつりと落ちた雫が、私の頬を濡らした。
「確かに自然を中心に考えたら、人は毒だし、悪だ。けれど人を中心に考えたら、自然の力も時に悪になる。これは単なる僕の意見だけど……そもそも『何かを中心に物事が回っている』という思い込みが、全てをややこしくしていると思うんだよ」
ついに降り始めた雨が、草木を濡らす。それが葉を叩き、さあさあと音を奏でる。その音は布袋の言葉を囃しているようにも聞え、私も合わせるように、じっと続きを待つ。
「農業も工業も、それを行う人間も、自然だって、一部にしか過ぎない……この地球という星の、ほんの一部なんだ。それを構成する一部だけが『世界の中心』であるという考え方は、そもそも間違っているんだよ。
まあ動植物が言葉を発することが出来ないから、人が勝手に勘違いしちゃうだけなんだけどね。だから自然中心に物事を捉えて『人は滅亡すべき』だとか、逆に「自然を人が支配してもいい』だなんて、考えるのも本当はおこがましいことで……」
濡れた煙の臭いが周囲を包んだ。雨に降られ、山積された草木の中で燻る火が、ぶすぶすと不満をこぼしながら消えていくのが分かる。
布袋は私に向かって弾丸のように言葉を撃つ。普段ののんびりとした調子の彼からは、とても想像できない姿だ。雨が降っていることなど気付いていないかのように、平然と彼は話を続けた。
「――というわけで、人間が利益や効率を求めすぎた結果がこれなんだ。世の中が便利になって、何もかも手に入ると勘違いした人間は我儘になっていって、自己中心的な考えに陥り、他を顧みないようになる。つまり、弁財さんが特別気に病む必要はないんだ。むしろ、弁財さんは誇らしく思ってもいいくらいだよ。今の世の中、何かに気付いても見て見ぬ振りが当たり前になってる。口に出すことで、自らの利益を損ねてしまうのが恐いんだ。だから弁財さんのように間違いを間違いだと、声をあげて主張することが出来るのは大切なことだよ。
そして君が思ったことは、本来であれば僕ら農家が疑問に思い、解決していかなくてはいけない問題だ。本当は農薬を使わない方が自然に優しいし、主流である改良品種より固定品種の方が味もいい。でもそうしない。なぜか?」
弾丸の雨が不意に止む。同時に真剣さを帯びた彼の表情が、ふにゃりと崩れた。
「――弁財さん、分かる?」
マシンガントークから一変、ゆっくりと穏やかな口調で、布袋は私に尋ねた。
「っと……」
顔を覗き込まれ、目が合う。優しげに細められた彼の目が、頭の中に焼き付くように映った。
周囲に漂う熱気を孕んだ煙のせいだろうか。頬が上気し、紅潮しているのが自分でもはっきりと分かる。
「それは、多分、そのほうが効率的だから」
熱を持つ頬を出来るだけ意識しないように、私は答えた。
農薬を撒けば病虫害を未然に防ぐことが出来るし、改良品種が主流なのは、保存性の良さと味の良さを兼ね備えた品種が生み出されたからだ。すべては、人手の少ない農家の栽培時の手間を省き、それなりに品質の良いものを、より多く、より遠くまで運ぶために採用されている手段である。
「はい、正解。地方部で小人数によって生産して都市部で大量消費する現状から、この手段を取らざるを得ないんだ。つまりこのサイクルを根本から変えなくちゃ、どうしようも出来ないんだね。ということは」
「あ、地産地消」
地産地消の風潮は、今全国に広まりつつある。けれど、過疎化や人口流出が続く地方では消費人口が少なくなり、さらに生産者の高齢化や農産物価格の低迷により生産量すら減少している。このままでは、地産地消は一過性のブームで終わってしまう可能性すら否めない。現に、地産外消を推進する地域すら現れる始めているのだ。
「でも……」
もし地産地消の普及が叶ったとしても、人手が足りないままでは効率化のために農薬を使い続けなければならない。さらに農業従事者の数が減っていけば、やはり農業は途絶えてしまうのだ。
――一体、どうすればいいのよ……。
農業衰退の裏に蔓延る根は、思った以上に深く広く張り巡らされている。布袋は「気に病まなくていい」と言ってくれたものの、彼と話した結果、私が悩んでいたもの以上に重大な難問を突きつけられたのだ。悩むなと言われても、なかなかそれは難しい。
私は溜息を吐き、頭を抱えた。いつの間にか髪はじっとりと濡れ、毛先から水が滴り落ちていた。
「『農業教育の推進』」
――……えっ?
「『農産物の価値・価格見直し』」
私は俯いたまま、彼の言葉を聞いた。何かを読み上げているように、棒読ではあったが、彼の紡いだ言葉を、私は知っていた。これは『天高七福神計画』の一文だ――。
「ねえ、弁財さん。今僕が言ったこと、現実に出来たら……どうかな? 農業教育の推進――小さな頃から農業に触れて、農業の良さを知ってもらうことが出来たら、少しずつでも農業に携わってくれる人が増えるんじゃないかな。弁財さんみたいに、ね」
不意に、懐かしい匂いが私の全身を包んだ。土の匂いだ。幼い頃、農業体験の場で目の当たりにした、豊かな大地がもたらす生命の芳香。それに連動したように、広い平原の鮮やかな緑色が脳裏に浮かぶ。
ああ、作物の芽吹きを一点の曇りもなく感動できたあの頃の純粋な心を、私はいつの間にか見失いかけていたのかもしれない。
「都会で求職中の人たちに地方での就農をアピールして参入してもらう機会を増やすのはどうかな。参入を補助するような仕組みも作るといいね。例えば空き家を提供してそこに定住してもらって、最初は既存農家に混じって研修してもらう――という試みは、既に取り入れている地域もある。そうすれば地方の人口減少に歯止めをかけられるどころか、増加させることだって出来るからね。
人口が増えれば、消費も自然に増えるね。十分、地産地消も行える。人手が増えれば、地方ごとに特色ある固定種を農薬や化学肥料なしで手間暇かけて育てていくことも、苦じゃなくなる。スーパーに卸される野菜より、より美味しくてより安全なものを作るんだ。でも、都市部――中央には卸さない。今はブランド野菜もブランド牛も、みんな中央に持っていかれちゃうからね。
でもそれじゃあ、地方は潤わない。こんなに美味しいものが地元にあるんだ、と地域に知ってもらうことがまず先決なんだ。『私たちはこんなに美味しいものがたくさんある素敵な場所に住んでいるんだ!』って、地域住民に誇りに思ってもらうことが出来たら……きっと、郷土愛も高まるはずだ。何もない田舎から逃げ出すように流出していく若者を、少しでも食い止められるんじゃないかな。
そして基本的に中央には卸さないけれど、代わりに情報発信をしていく。物産展やアンテナショップ、メディアを駆使して『すごく美味しいけど、現地に直接足を運ばないと手に入らない』ことをアピールするんだ。プレミアム感がうまく伝われば、これを足がけに地方に観光客を呼びもどすこともできるかもしれないね。
勿論、農業だけじゃなく、漁業や地元住民の理解や協力も必要だから、その辺も合わせて、僕らの世代が考えていければ素敵だよね」
――ああ、本当にこの人は……すごい。
温厚でのんびりとした第一印象からは想像も出来なかった、農への情熱。それをひしひしと肌に感じ、また私の目頭が熱くなる。
雨で湿った袖口で、こみ上げてくる涙をぐいと拭う。顔を上げ、布袋の顔を見る。そうだ、今は、泣いている場合じゃあない。
「幸宗先輩……知ってたんですか? 福禄先輩の、計画」
「仁とは同じクラスだからね。まあ、大雑把にしか教えてくれなかったけど……。『説得係がそのうち行く』って言われて待ってたら、弁財さんが今日来てくれたってわけ」
私の問いに布袋はにっこりと満面の笑みで答えた。
とたんに、肩の力が抜ける。
――おのれ、福禄仁。誰も勧誘してないなんて、一体どの口がのたまったのか……!
布袋に事前に話をしているなら、そうと言ってくれればもっと事はスムーズに進んだだろう。私が極論の穴にはまり怯えおののくような醜態を晒さずに済んだに違いない。
福禄に対しての怒りがじわじわと沸き上がるが、いやまてと、心の中に沸騰石を投下する。
――もし先輩への説得が、二言三言で簡単に終わってしまっていたら?
今日私の中から噴出した不安は、永遠に表面化しなかったのだろうか。否、無から有は生まれない。心の奥底、無意識下に燻っていた火種があったからこそ、マイナスに揺れ動く心に後押しされるように爆発したのだ。火の無いところに煙はたたない。小さな火種を抱えつづける限り、恐らくいつかは燃え上がったことだろう。そう考えると、早い段階で不安要素を燃やし尽くしてしまった方が良かったのかもしれない。灰になってしまえば、それを利用して新たなステップへと踏み出せるのだから。
本当に、人も農業も、よく似ている。全てはぐるり環のように、巡り巡って自身の糧となるのだ。
――ま、結果オーライってことね。
私は一人、小さく笑った。
「あっ」
そんな私の様子には気付いていないのか、横で布袋が声を上げ、立ち上がった。
「雨が降ってる! あああ、弁財さん、こんなに濡れて……!」
先程までの頼もしい彼はどこへ行ってしまったのか。私の背後に回って、彼はわたわたと両手をやり場なさげにばたつかせている。
「これくらい、家で乾かせば問題ないですから」
そう言って私も立ち上がる。振り返った拍子に腰掛けていた出荷箱に足が当たり、ずずずと後ろに動いた。
「あふう」
布袋はその出荷箱に足を取られ、転んだ。――正面にいた私を巻き込んで。
瞬間、目を閉じる。べちゃりと嫌な音がしたが、衝撃は少ない。私たちの体は濡れた草木の山へと倒れ込んだようだった。火はとうに消えていたらしく、熱さはない。不幸中の幸いだ。湿った灰の匂いを鼻腔に感じる。ああ、制服はクリーニング行きだ、とぼんやり思った。
「うう、ごめん……本当に……」
布袋の弱々しい声が間近に聞こえた。
「い、いえ……大丈夫で――ッ」
言葉が詰まる。それと同時に胸も詰まる。
目を開けたそこに、顔が、あったのだ。布袋幸宗、その人の顔だ。長時間雨に打たれたからか、心持ちその顔色は白い。額には濡れた黒髪がはりつき、艶かしささえ感じる。申し訳なさにか、潜められた眉根。その下で揺れるはまつ毛は美女のそれのように長い。不安の色濃い瞳には、まっすぐに捉えられた私の姿が映り込んでいる。
――な、な、何これ何なのこの状況はっ!
私は草木の山を背に、仰向けに倒れた。その上に、布袋が折り重なるように倒れ伏している。互いの顔が近い。まるで私が彼に押し倒されているようではないか。いや、むしろ今、押し倒されて……いる、のか。これは。
事実はどうあれ、端から見れば押し倒されている思われてしまうに違いない。誰かがこの『農園の端で見た! 放課後のラブロマンス』とでも見出しがつきそうな状況を目の当たりにしてしまう前に、何とかしなければ。
――どいてくださいって、言えばいいのよ! 琴子!
「あ、あ、あの、ど、どど、どどい、どどいっ……!」
しかし動揺で思うように声が出ない。軟弱な喉め、そのうち鍛え直してくれるわ。
「え? ドイツ? ドイツではじゃがいもを主食としていて――」
どもった私の言葉を布袋がまた勘違いをして語り始めるのだから、
「ちっがーう!」
私は声を張り上げた。それがふぉわんふぉわんと周囲に響く。
「そうだ、違うぞ」
私が発した音の波を割るように、はっきりとした言葉で否定を表したその声は、布袋のものではない。けれど聞き覚えのある声だ。ハッとして私は布袋の体越しに倉庫の方に目をやった。
「ドイツの主食は、パンだ」
倉庫にある換気用の窓――たった今まで存在すら知らなかったが――から、男の顔が覗いていた。
「ふ、福禄先輩っ?!」
「へぶう」
予想外の人物が現れた驚きと、この状況を見られてしまったという恥ずかしさから、私は思わず布袋の体を張り手で押し退けてしまった。布袋はそのまま水溜の中にびちゃりと落ちる。
沈黙。途端に雨が大地を叩く音だけが、世界を支配した。
雨が降ったおかげで灰当番の仕事は終わり、時刻も既に六時を回っていたことから、私たちは下校することにした。長時間雨に降られて濡れた制服の代わりに、私は体育用のジャージに着替えた。若干汗臭いが、この際致し方ない。布袋もまた、泥だらけの作業着から制服へと着替えた。
「べ、弁財、体が当たる。もっと縮め。縦長になれ」
「無理言わないで下さい」
「うーん、僕やっぱり傘なしでも……」
「でも、折角着替えたんですし、せめて半分、いや三分の一ぐらいは」
私たちは狭い歩道で、三人横並びになって歩いていた。
福禄が持っていた大きな傘を私が差し、その右側に布袋、左側に福禄が位置取っている。こういう場合、両手に何と表現すればいいのだろう。とりあえず、花でないことは確かだ。
とにかく、三人で傘に入るなんて無理な話だ。傘はあいにく一本しかない。この傘は福禄の所有物だが、彼は私に傘を貸してくれると言った。けれど私一人が傘を差すのも気がひけるからと断ると、じゃあ福禄の傘だから二人で入ればいいと布袋が提案した。しかし福禄は相合傘は困ると言って譲ろうとしなかったので、ならばみんなで入れば何の問題も無いということになり、今に至る。勿論私以外の両人は、体の半分以上が濡れている。
ぱたぱた。
傘の表面に雨が落ちる音。
「……で、話は済んだのか?」
突然、福禄はぽつりと言った。
「……話? ああ」
そういえば、ドタバタですっかり忘れてしまっていたが、布袋とは大事な話の途中だったのだ。彼は農業の未来に対する希望や理想を語ってくれたが、まだそれだけだ。私から彼に、私の考えを告げていないではないか。しまった。このまま彼を帰すわけにはいかない。
私はすうと大きく息を吸い込んだ。
「ぜんたーい、とまれ!」
そして号令をかけ、足を止める。しかしこんな掛け声で当然二人が止まるはずもなく。
「うわ」
「あぶし」
傘の内側に顔をぶつけ、短く声を上げてよろよろと停止した。そこで私はすかさず、彼らより十数歩先に足を進め、そしてぐるりと、回れ右。 何が起こったのか分からないといった顔で、ぽかんと二人は私を見ていた。
「幸宗先輩!」
「えっ」
「私と、私たちと一緒に……農業を、変えましょう!」
拳を握り締め、力強く声を張る。
一瞬驚いたような表情を布袋は見せたが、
「うん、みんなで頑張ろうね」
すぐに笑顔を見せた。
福禄は私たちのやりとりを、呆れた顔で見ている。けれどその口元が僅かに微笑んでいるのを、私は見逃さない。
それを見て、胸の内から急に嬉しさが込み上げてくる。ああ、心が躍るとはこういうことか。口角が自然に緩む。無性に体を動かしたくて、仕方がない。
私は二人に背を向け、傘を手にしたまま走った。傘に受ける風の抵抗こそあれ、それでも体中を包み込む疾走感がさらに気分を高揚させる。時折肌に落ちる雨滴さえ、気持ちが良い。
百メートルほど走ったところで、私は後ろを振り返った。福禄と布袋は先程と変わらぬ場所に佇んで、私を見ていた。
「絶対、ぜーったい、変えるんですからね! 幸宗先輩! 福禄先輩も!」
二人にそれだけ言い放ち、私はまた二人を置いて駆け出した。
遠くで福禄が、傘がどうのと叫ぶ声が聞こえたが、誰の言葉であっても、今の私を止めることは出来ない。
六月の重く湿った空気を全身に感じながらも、私の足取りは、羽根が生えたかのように、軽い。
ついに、大きな船が動き出した。風を受け、帆を張り、荒れた海へと漕ぎ出でたのだ。
いくら雨が降ろうが、高波が来ようが、私たちは船を漕ぎ続けるだろう。
どんな悪状況でも、全ては『神様のいうとおり』だからと嘆き諦めることなど、決してしない。
――いつか目的地に辿り着く、その日まで。
(続)