要素:グロ

  • きみの目玉と僕の嘘

     僕は、嘘が嫌いだ。嘘をつけばかならずどこかで誰かを傷付ける。だから僕は、自分自身にすら嘘を付かないよう、正直に生きている。 「目玉が好きなんだ」  木箸の先端を、皿の上に横たわる頭と骨だけになった鯵…
  • 霧雨の夜

     昨日の明け方から、雨は降りだした。今日の日暮れになっても、まだ止んではいなかったが、夜が更けた今でも、それはどうやら続いているらしい。 「外はすごい霧だ」  玄関に入るなり、彼は濡れたその広い肩を手…
  • 監視

     真っ白な部屋で、それを監視することが、ここでの僕の仕事だった。  それとは、目の前に置かれた巨大な強化プラスチック製の箱に収容された被験体だ。今日の被験体は、茶色く汚れたぼろ布のような衣服を身に着け…
  • 幻覚

     視覚とは、本当に見えているものだけを捉えているわけではない。これまでの経験を元に、脳が勝手に補足している場合もあるそうだ。さらに、思い込みによってありもしないものが見えてしまうこともあるのだという。…
  • 鼻をかむ

     ひどい頭痛だった。一週間ほど前から、右側頭部が鈍く痛むのだ。同時に目の奥をぐじぐじとほじくられるような嫌な感じもしていた。それも右目だけだ。  体の不調は、まず喉の違和感から始まった。次いで鼻水が出…
  • 仕事

     錆びついた鉄扉の鍵穴に、同じく錆びつき今にも折れそうな鍵を差し込み、素早く回した。かちゃりと軽い音がし、作業服の男はノブを回して手前へ引く。 「うわっ」  開いた扉と一緒に、真っ赤な塊がごろりと転が…

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